夜空の星
◇さよなら
僕はあの時死ぬはずだった犬。
生きている意味もない誰も知らない犬。
そんな僕を助けてくれたのがこの人。
冷え切った僕のからだを尽きることのない愛で包み込んでくれた。
そして今も自分のことよりも僕のけとを考えてくれた。
今度は僕が助ける番だ!
僕は自分の体の10倍以上もある彼を引きずりながら歩いた。
水が重く体に絡みついてきて思う様に動かない。
寒さで力は入らないし、全然進まない。