短編集『芸術家、ボコられる。』

うらやましくなる。(2)

彼女「ねぇねぇ、わたしのこと、好き?」

彼氏「むっちゃんこ、好きだよ」

彼女「どれくらい、好き?」

彼氏「地球の大きさくらい、好きだよ?」

彼女「それじゃ、わかんねぇよ。ねぇねぇ、わたしのこと、好きならさー、アイス買って?」

彼氏「アイスかい」

彼女「アイスかいって何の問いかけだよ、アイスっつったら、アイスだろうが。アイスかい、うんアイスだよ、っていらんやり取りだろうが。いらんカロリー使わすなや。」

彼氏「ごめん。」

彼女「全然。いいってことよ。アイス買ってくれる?」

彼氏「アイスかい」

彼女「だからさ。」

彼氏「あ、また。」

彼女「学習能力ない男、超キライだな。イカヅチ落ちたらいいと思う。」

彼氏「うん、僕も落ちたらいいと思うよ。」

彼女「キャッハッハ、それ自分のことやし。ウケる~~」

彼氏「ウケるよね。」

彼女「わらは、ウケんでえぇねん。」

彼氏「そうだよね。ごめん。」

彼女「でも、ちょっとはウケていいよ。」

彼氏「え、なにが。」

彼女「ちょっとは、ウケていいっつってんだよ‼ウケろよ!!」

彼氏「…ゲロウケる~」

彼女「それじゃ、ウケ過ぎだろうが」

彼氏「そうだよね。ごめん」

彼女「加減をしれよ。いい加減てのはさ、適当、てことじゃなくて、いい加減てことなんだからな。」

彼氏「うん、じゃー、アイス買いに行くかい?」

彼女「聞かんと、買いに行けや‼」

ドゲシ!!

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