短編集『芸術家、ボコられる。』

男は今、闘っていた。(1)

男は今、闘っていた。たった一人。

神と共に。

仲間がいるはずだ。

大事なものは、たったひとつ。

たったひとつに絞ることだ。

ふたつ以上なら、潰れてしまう。

物欲におびえるけど。

そのひとつを守りきることで、例えすべてを失ったとしても、悔いはない。

男はそうありたいと決めたからだ。

まさしく正しく生きたいと。

誰かに威張りたいためではない。

ただ、真面目に生きたいと。

分からないながら、守り通して生きたいと。

そう願った。

そう願ってみた。

例え、すべてを失ったとしても。

仕方ない。

間違いならば、学びになるのだ。

今、かつてない自分に挑戦してるのだ。

十分ではないか。

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