花の鎖・蝶の棘


「えーと、じゃあ遠慮なく。左之と総司って呼ばせてもらうわね?」


「年上の女に名前を呼ばれるのも悪くねえな。」


凄くショックだ。まさかこの部屋にいる人達の中で自分が一番年上だったなんて。
左之に至っては一つしか変わらないけど。



「えーと、貴方は……」


「必要ない。俺に構うな。」



まだ何も言ってない。ただ、何て呼べばいいか聞きたかっただけなんだけど……
斎藤一。この男には極力近づかないようにしよう。向こうもよろしくするつもりはないみたいだし。


ああ、これが会社なら絶対絞めてるのに。
それをしないのはこの時代と平成では年齢や入社時期の上下よりも男女間の上下の色が強い時代だと思うから。



郷に入っては郷に従えって言うし……


そう考えると、左之や総司はかなり紳士的だと言えるわね。一人は怪しいけど。



何にせよ、さっきまでの危機的状況は突破出来た。どうしてタイムスリップなんてしてしまったのか……他にも問題は幾つかあるけど、この時代での身の寄せ場は確保出来たし、何とかやっていくしかない。

こんな時、自分の冷静さがありがたい。


だって、泣こうが喚こうが現状は変わらないんだから。

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