愛を教えてくれたのは若頭


母が近づいてくる
声が段々、近づいてくるのがわかる



「俺、…母さんにーー」


プツンと切れた電話
裕也の言葉に、鳥肌がたった
聞き間違いではないか、
もしかしたら、裕也の言い間違い?
裕也の勘違いかもしれない



「で、どうする?」


暫く沈黙が続き
動けない私に言葉をかけてきた
けど、どうするの意味がわからない


「お前、ねーちゃんなんだろ?」


戸籍上は…だ
今さら都合のいいことばかりー、



「前に、ごめんって謝ったの、今までのお前に対しての謝罪じゃねぇのか?」



『…わかんないよ、』


どうしていいか、わからない
助ける?なんで?

関わりたくないの、
あの一家には会いたくない


私の中で答えは出ていた
出ていたはずだった……

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