愛を教えてくれたのは若頭


「風間もね…、あら?その子…」


その声に聞き覚えがある
こんなところで?とため息をついちゃう
けど、負けないと晃さんに宣言した
気持ちに嘘は無い



『お久しぶりです、茜です』


隠すようにかばってくれる風間さん
私が出てきたことに苦い顔をしている
ごめんね、と思いながらも
ニコリと挨拶をする


「晃の次は風間なの?」


クスリと笑いながら嫌味を言う
やっぱり私の事が嫌いなんだと確信する


『いいえ。晃さんのご好意です。晃さんにはいつもの良くしていただいてます』


負けるかっ、という気持ちが強く
相手が晃さんのお母さんでも強気に出る

私の出方に驚いたようで
そう、という言葉だけ


『それでは、失礼します』


さっさとこの場を去ろうとすれば
それを何故か止められてしまった

けど、それは私ではなく風間さんだ

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