愛を教えてくれたのは若頭


キヨさんが煎れてくれたお茶は
湯気が出ていて、暑そうだ
けど、それが美味しいわけで
それに手を出そうという雰囲気でもないことはわかっている


「どうにか貴方を救い出したけど、あんなみすぼらしい姿で返すわけにはいかなかったわ。こっちにも非はあるし…」


仕方がないから、というわけか
なら私はこれからどうなるのか…
多分、この人と関わることはないだろう


『晃さんは元気にしていますか?』


一番気になることだ
元気ならそれでいい


「今はね。貴方がいなくなった時は酷かったわ。今は…そうね、仕事に没頭しているわ…私も近づけないくらい、ね」


とても悲しそうな目で晃さんのことを話している
この人はなんだかんだ言って
晃さんを心配しているし
晃さんの母親なんだと思った

< 156 / 331 >

この作品をシェア

pagetop