愛を教えてくれたのは若頭


その子供が私ですよ、

私だとわからない事に
顔がにやけてしまう
ふふふっ…


それにしても、臭い
あんな香水振りまいたら
せっかくのきものが台無しだわ


トイレから出れば、風間さんが待っていてくれ、行きましょうと歩き出す

広い縁側を歩けば
椅子に座っている人が目に付く

今日は何の会?と思うくらい
正装をしている


「茜ちゃん」


小さな声が私の耳に届く
風間さんの先には
一際オーラを放つ夫婦が見える


頑張れ、と言われるように
風間さんは背中を押してくれた


二人に向かって歩いていると
パチンと扇子を閉じる音
頭のてっぺんから
足の先まで見られる始末


「ほう、見ない間に成長するもんだな」


晃さんのお父さんである組長さんが
顎に手を置きながら私を見ている

< 168 / 331 >

この作品をシェア

pagetop