愛を教えてくれたのは若頭
母は発狂しはじめた
まさか私に拒絶されると思わなかったみたいで、何を話しているのかわからない
母の声が遠のく中
聞こえてきたのは、さっきの男の人の声
「茜ちゃん、ごめんね。少し情緒不安定なんだ。息子から離婚の話をされてからずっと…」
息子、
今話しているのは湯川の両親だと理解した
何度か会ったことはあった
けどそれは私が家を出る前の話だ
『どうして離婚になったの?』
裕也は新しい女がいると言っていた
だからそれが原因なのはわかっていた
「…子供ができた、と聞いてね」
言いにくそうに言ってきた
そういうことかと納得したが
なら裕也と卓也も一緒に暮らすのだと思ったが、それは違うらしい
妊娠した相手はまだ二十歳になったばかりだという
思春期の裕也にまだ手がかかる卓也を任せるのは無理だと判断し
湯川の実家で預かるという