愛を教えてくれたのは若頭


電話をするのは湯川の家
いつもなら母が出る
けど、出たのは違った



「はい、湯川です」


聞きなれない声に戸惑った
湯川と名乗ったのだから間違いは無い
茜です、と言うと


「茜ちゃんか、久しぶりだね。少し待っててくれるかい?」


そう言って保留音に変わってしまった
誰だったのかいまいちわからない
保留音が止まり、耳から聞こえた声は
久しぶりに聞いた母の声だった


「今、どこにいるの?」


『知り合いのところ』


「アパートはこれから探すから。高校だけは卒業させてくれるみたいだから、そこは心配しなくていいわ」


『悪いけど一緒には住まないし、高校も行かないから退学する』


母は当たり前のように話していた
それがかなりムカついた
今まで私にした事を棚に上げて
何を好き勝手に言っているんだと…

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