愛を教えてくれたのは若頭
あら、と希江さんはその人を見るが
私はそんな気軽には見れない
『こんにちは、お邪魔しています』
他人行儀な挨拶に
希江さんはクスクス笑っている
言われた本人もギョッとしたが
ふん、と返事を返してくれた
どうも苦手だ
初めて会った時から…
「あなた、嫌われてるのよ」
「煩い」
『あ、いや、そういうんじゃなくて…なんか、どう接して良いかわからなくて』
その相手は他ならぬ…晃さんのお父さん
堂城組の組長さんだ
嫌われている…に近いだろうか
あの初めて会った時に
呼び捨てにされてから、どうも調子が狂う
どうしたものかと私自身も悩みの種だ
だからと言って希江さんや晃さんに相談できるわけでもない
こうやって堂城の本家に来て
慣れていくしかないのだろう