明日へ馳せる思い出のカケラ
新年を迎えたのは、もちろん仕事中のコンビニだった。
そして仕事を終えた俺は元旦の早朝だというのにもかかわらず、日課のジョギングに出掛けたんだ。
走り始めてからちょうど一週間。
この頃になると、体もだいぶ走る事に慣れてきたんだろう。体力的にはまだまだキツく感じるものの、筋肉痛は幾分鳴りを潜めてくれる様になっていた。
「明日からはもう少しだけ走る距離を延ばしてみようか」
ジョギングを終えた俺は、熱いシャワーを浴びながらそう思う。
今日の走行距離はおよそ5キロ。やっぱり1万メートルを走っていた昔の感覚からして、物足りなさを感じるんだろう。
でも今はその頃の体とは根本的に質が違っている。本来であれば、もっとじっくりと体を慣らしていくべきなんだよね。
だけど俺はついつい昔の自分をイメージして考えてしまうんだ。それも陸上選手として一番輝いていたあの頃の姿をね。悔しいけど、いつまで経ってもそんな考えの甘さは変わらないんだよ。
シャワーから出た俺は着替えをし終えると、準備していた熱湯をカップラーメンに注ぐ。
腹が減って仕方がない。仕事を終えてから休憩する間も惜しんでジョギングに精を出していたからね。それは無理がないんだろう。
バイト先で購入しておいた弁当と共に食べようと、カップラーメンが出来上がるまでの間をコタツに包まりながら待つ。
そして暇を持て余すかの様に、俺は何気なくテレビのボタンを押した。
突如として響く大歓声。
何事なのか、俺はテレビから流れる映像を注視する。
するとそこで放映されていたのは、毎年恒例の社会人ランナーによる駅伝大会だったんだ。
大学生が実施する箱根駅伝と共に、正月の風物詩となっている社会人駅伝。
俺はそこで盛んに切磋琢磨し合う大人達の熱き走りに目を奪われたんだよね。
俺なんかとはまったく別次元の走りをする彼ら本物のアスリート達。
そんな彼らを憧れの眼差しで見つめるとともに、俺は彼らと自分を重ね合わせてイメージしてしまったんだ。
もしあの秋の大会以降も真面目に練習していたならば、もしかして俺もこんな大舞台で走れていたんじゃないか。そんな有りもし得ない妄想を抱いていたんだよ。やはり正月だから、夢を見てしまったのかな。
そして仕事を終えた俺は元旦の早朝だというのにもかかわらず、日課のジョギングに出掛けたんだ。
走り始めてからちょうど一週間。
この頃になると、体もだいぶ走る事に慣れてきたんだろう。体力的にはまだまだキツく感じるものの、筋肉痛は幾分鳴りを潜めてくれる様になっていた。
「明日からはもう少しだけ走る距離を延ばしてみようか」
ジョギングを終えた俺は、熱いシャワーを浴びながらそう思う。
今日の走行距離はおよそ5キロ。やっぱり1万メートルを走っていた昔の感覚からして、物足りなさを感じるんだろう。
でも今はその頃の体とは根本的に質が違っている。本来であれば、もっとじっくりと体を慣らしていくべきなんだよね。
だけど俺はついつい昔の自分をイメージして考えてしまうんだ。それも陸上選手として一番輝いていたあの頃の姿をね。悔しいけど、いつまで経ってもそんな考えの甘さは変わらないんだよ。
シャワーから出た俺は着替えをし終えると、準備していた熱湯をカップラーメンに注ぐ。
腹が減って仕方がない。仕事を終えてから休憩する間も惜しんでジョギングに精を出していたからね。それは無理がないんだろう。
バイト先で購入しておいた弁当と共に食べようと、カップラーメンが出来上がるまでの間をコタツに包まりながら待つ。
そして暇を持て余すかの様に、俺は何気なくテレビのボタンを押した。
突如として響く大歓声。
何事なのか、俺はテレビから流れる映像を注視する。
するとそこで放映されていたのは、毎年恒例の社会人ランナーによる駅伝大会だったんだ。
大学生が実施する箱根駅伝と共に、正月の風物詩となっている社会人駅伝。
俺はそこで盛んに切磋琢磨し合う大人達の熱き走りに目を奪われたんだよね。
俺なんかとはまったく別次元の走りをする彼ら本物のアスリート達。
そんな彼らを憧れの眼差しで見つめるとともに、俺は彼らと自分を重ね合わせてイメージしてしまったんだ。
もしあの秋の大会以降も真面目に練習していたならば、もしかして俺もこんな大舞台で走れていたんじゃないか。そんな有りもし得ない妄想を抱いていたんだよ。やはり正月だから、夢を見てしまったのかな。