よく晴れた空に

優しさと辛さ

「イテテッ」



受け身を取ったが、石ころが当たって

腰の辺りが痛い



「ククククククッ」




総司が、嬉しそうに笑う



「笑ってんじゃねぇ!!!」



他の奴らも、肩を震わせていた



「歳!まだまだだなぁ!!ハッハッハッ」




近藤さんが1番嬉しそうだった




屯所に戻り、2人の帰りを待つ




「雨…」




総司が、立ち上がる




「手拭いと、着替えを用意します」




年の割に、気の利く総司が部屋を出た



幹部らが大人しく無言で待っていると



「戻りました」



山崎の声がした



襖が開き、予想通りずぶ濡れ



「手拭いと着替えです」



総司から、それを受け取る



「先に着替えてこい」




しばらくして、2人が俺の部屋に戻った






「見失ったのか?」


「はい」




「お福… あの男を知っているのか?」


「知りません
あの男が、私を知っていたから
捕まえたくて……」


何だか複雑な物言いに、眉をひそめる




そして、お福が

泣いた後だと、雰囲気でわかった




「土方さん… 
以前、旅籠を見張っていましたよね?
あそこにいた者の中に、兄の仲間がいました…
居所は、わかりますか?」


「しばらく張っていたが、まかれた」



「……そうですか」



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