よく晴れた空に

力と寿命

お福が、原田に抱えられ

俺の部屋に来てから、3日


ようやく目を覚ましたが


少し首を振った程度で、反応が薄い


そして、すぐに寝てしまった


山崎の見立てでは、危険な状態だそうだ









夜中




廊下に気配を感じた


「誰だ?」


刀に手を添える


襖が開いた


「お前!」



福の兄だった




「福…」



俺の隣に座り、布団の上に手を置いた



「コイツを育てた奴らは、治癒力を
売り物にしようとした
だから、俺が殺した…お前達も
利用してたとはな…大事にしてくていると
思ったが…勘違いか」


「んんー」



「福!!」


「力を使うほど、寿命が縮むと思え
今回は、見逃す
福を泣かせるな!土方!」


「すまん… 助かった…」


「俺が来たことは、知らせるな」


「わかった」



兄が、部屋を出ると


福が目を開けた




「お腹すきました…」




体を起こしてやると



「水、下さい」



水を飲み、モリモリと巨大な握り飯を

たいらげた




「土方さんのおにぎり食べたら、元気になりました!」


「夜中だ!寝とけ!」


「ふふっ 目が冴えました」




久しぶりにゆっくり話をした







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