これも恋と呼んでいいのか


「あのっ、よかったら俺抜けるんで、皆さんで食事行かれます??」


業平が気を利かせた。


「なんや。お前ら食事に行くほど仲いいんか」


「えっ!?あ、いや、歓迎会しようかっていう話で。労いで」


琉ヶ嵜が慌てる。


ふーん?と下から睨む父。


「まあ、亮介も行くんなら、皆で行くのもええかな。せっかくだ。本当なら水入らずで行きたいところだが」


「すみません…お邪魔ですよね」


「そんなことないですよ!!お父さんたらもう!!いろいろ、こちらでのお話も伺いたいですし」


萎縮する琉ヶ嵜をフォローする母。


「なんだ、着いてくるんだ。じゃあ奢りね」


とことん勘に触る奴だ、と。
どうせなら業平と付き合ってくれた方が、遥かにましだ。



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