永遠dream
俺は今まで血を吸った人間全員を覚えている。
いや、忘れることが出来ない。

俺は・・・・・・ヒトじゃないから。

だから、傍に誰かがいない虚しさ、自分の吸血という罪を人間の記憶から消すという罪悪感、それでも生きていかなければならないという先の見えない恐怖。
それらの思いはただ積もっていくばかりで本当はずっと・・・

・・・・・・辛かった。

人間は短い命を必死に生きているのに、俺は永遠の命を時の流れに泳がせているだけだった。
でも、その人間が誰にも、俺自身にも気づかれなかった苦しみに気づいてくれた。
俺にできた傷を優しく撫でてくれた。

今日、随分久々に生きているということを実感した気がする。

いいのだろうか。
彼女と共に生きてもいいのだろうか。
いや駄目だ。

わかっているだろう?

俺は遅かれ早かれ彼女を傷つける。
だから言った。

「さよなら。」

でも彼女は一瞬泣きそうな顔になった後、笑顔でまた明日と言った。

・・・・・・そうか。

あんたの隣にいさせてくれるんだな。
今は、それが素直に嬉しかった。

「あぁ。」

そう言って俺は家のドアを閉めた。


深夜2時。
彼女は今、寝てるだろう。

俺は・・・・・・

彼女が頭から離れない。
まぁ、彼女の血を吸ったということも関係してるだろうが。
彼女はどんな夢を見ているだろうか。
彼女は今・・・・・・

せめて、彼女と一番近い場所に行きたい。
それは隣との堺の壁。
目の前のクローゼットを開ければそれに届く。


でも俺には、まだここを開けることは出来なかった。
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