永遠dream
子どもが出来たら産むものだと思っていた。

けれど不完全なことに気づいてしまった私には意思が生まれた。

この子を・・・産みたくない。

でもだからといって堕ろすなんて可哀そう。

そこまで考えるといつも私の頭には疑問が浮かぶ。


カワイソウ?


・・・・・・・・・どっちが。

私は呆れたような笑みをこぼす。

もしこの子が生まれてきたら、この世界を見てなにを思うだろう。

・・・・・・なにか、思うのだろうか。

産まれたときから大きな使命を課せられて、逆らうことを覚えないまま、窮屈な世界で、当たり前のように感情を持たず生きていく。

そんな未来がはっきりと浮かぶのだ。

だから、子どもは産みたくない。

だって私は・・・

そっとお腹に手を当てる。


この子を・・・幸せにできる自信が無い。


外の世界を夢見て、けれど外の世界に出ることは叶わず希望だけを抱いたままこの世から姿を消したほうがこの子にとっては幸せなのかもしれない。

そう思うと、どうしても私は子どもを産むことが間違っているように思える。

何が正しい?

この子にとっての幸せって?

お腹の中の尊い命が大切で愛おしいからこそ、産むことに躊躇いがあった。


萌々が産まれるまでの3年間、日に日に大きくなるお腹をさすりながら私は迷い続けた。
< 168 / 200 >

この作品をシェア

pagetop