君に会えたら伝えたい事がある。
食堂に行くとハナはいつも通りにジョージの横に座っていた。僕は自分の食べるものをお皿に乗せて彼女らのいる席に着く。
「おはよう」今日の彼女はいつも通り笑顔で言ったけれども、僕にはなぜか彼女の笑顔がいつもより増して見えた。それはきっと昨日、彼女の違う一面を見れた事と彼女が僕の好きなチャールズ ディケンズの本を読んでいるという事を知った事で、勝手に僕の中での彼女と僕の間の距離が少しだけ縮まった気がしていた。
「おはよう」僕は二人に言った。
「とても悲しい話だった」ハナが僕の目をみて唐突に言った。
「泣いた?」僕がハナにそう聞くと彼女は首を横に振って違うと言った。隣ではジョージが何の話を僕らがしているのか理解できずにキョトンとしていた。
「私どうしても、身代わりになって処刑台に行こうとする気持ちに共感でき無かったの」彼女はソーセージをナイフで切りながら言った。
「きっとあれが愛っていうものだよ」
「分からない。そんなことされたところであの夫婦はどうやって今後、生きていけばいいと思うの?」
「分からないよ。でもこれ小説だし、僕はチャールズディケインズの想像力を膨らませてくれるような話の書き方か好きだよ」
僕らの会話をジョージがポカァンとしながら聞いてるのに気がついたハナは話を変えた。
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