君に会えたら伝えたい事がある。
「そういえばねアルベルト、わたし今朝アレックスが昨日のサッカーのメンバーにいたって思い出せなくて。。。」と今朝のエピソードを一通り話した。アルベルトは笑いながら彼女の話をきいて、確かにジャージとコックコートだと雰囲気が違うだの、僕がタイ人には見えないだの言っていた。
「それでアレックスは、フィン語喋るの?」彼女は唐突に話を振った。
「一応話せるよ。それに書類上ぼくフィンランド人だからね」
「パスポートのこと?」彼女は不思議そうに聞いてきた。
「そう、一度もフィンランドに住んだことないんだけれどね」
「訪れたことも?」
「まだないかな。でもお父さんのルーツだし僕のルーツでもあるから一度は行ってみたいと思っているよ」
「フィンランド。とても素敵なところだよ。私、大好きあの場所。何もないけれどもサウナはいってお酒飲んでぼーっとしとくの大自然と北欧のあの独特の建物みながら」
「僕、お酒のまないけれどもさらに行ってみたくなったよ。ありがとう」僕は笑顔で言った。
「でも変な感じだよな、行ったことも見たことも無い国のパスポート持って貴方はフィンランド人ですよー。なんて言われるの」アルベルトが言った。
「本当に変な感じだよ。ぼく自身は僕のことをタイ人だとしか思ってないしタイのことを誇りに思ってるんだけど、タイのパスポートって弱くてさ、それにほらEU加盟国ならここで勉強するにもビザいらないし」僕はアルベルトの言ったことに100パーセント同意していた。
「でもわたしもできるならパスポート二つくらい持ってみたかった、なんだか使い分けってかっこいいじゃん」と彼女は無邪気に答えた。

< 8 / 70 >

この作品をシェア

pagetop