強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
「・・・づき。深月っ!!」


えっと・・・どこだここ?
部長の声・・・・
部長の香り・・・・


目を開ければ、そこに、部長の端正な顔があった。


「おっ、おはようございます。近いです。」
「やっと起きたか。俺、今から打ち合わせがあって会社へ行く。お前は休みだろ?どうする?」


今日は土曜日だ。
マンションに帰えれば奏汰に会う。
かと言って、このままここに居させて頂くわけにもいかない。


「どうしたいんだ?」


桐島部長のその言葉が今の私には刺さった。


きっと桐島部長は、今日これからどうしたいのか尋ねたに過ぎない。
けど、私には、奏汰とのことを言われたように感じた。


「深月、お前に幼馴染と何があったか、俺にはわからない。しかし、しっかりお前の気持ちにケリを付けて来た方がいいんじゃないのか?」


桐島部長のその言葉に胸が締め付けられた。



きっと3日前なら奏汰はこんなことはしなかった。
ただ幼馴染が一歩大人な恋に踏み出しやしないかと心配になっただけだろうから。


それにしては奏汰は度が過ぎる。


奏汰に触れられた時、桐島部長とは全く違う感覚に襲われた。
桐島部長にされたそれは心地好く、私の女の部分を疼かせた。
けど、奏汰の綺麗な顔が目の前に迫ったその時、そしてその唇が触れた時も、ただただ嫌悪感しかなかった。


あれだけ奏汰のことが好きだったのに。
私の心は桐島部長で埋め尽くされたんだろうか?

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