翼をなくした天使達
●言えなかった言葉
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次の日の朝。いつものように朝食を食べてお母さんの作ってくれたお弁当を持った。
………そういえば今日は体育があるんだっけ。
面倒くさいな……
学校に着いて靴を履き替えた。そして教室のドアを開けると妙に静かでいつもとは違う雰囲気に気付いた。
静かというより何かを企んでるような、
クスクスと笑っているようなそんな感じ。
少し嫌な予感がして教室を見渡すとそこには見覚えのない花瓶がひとつ。白い菊の花が入れられた〝それ゛は橋本さんの机に置かれていた。
こんな事をする人は沙織しかいない。
あのアンケート以来、大人しくしていていじめも収まったと思ってたのになんで………
すると最悪のタイミングで橋本さんが登校してきて、またどこからか笑い声が漏れた。
「あれ~なんで橋本学校に来てんの?うちのクラスひとり減ったって聞いてるんですけど~」
さらに沙織が煽る。
また再開してしまったいじめ。
もう起きないんじゃないかって思ってたし橋本さんもきっとそう。でも沙織はただ単にほとぼりが冷めるのを待っていただけなのかもしれない。
「帰れよ橋本」
「お前の席ないから」
次々と飛んでくるヤジに橋本さんは一歩も動けずにいた。