翼をなくした天使達



そして週末になって、美保と駅で待ち合わせをした。

「あかり~!こっちこっち」

迎えにきてくれた美保はすごいラフな格好で私は遠出でもするような大きな荷物。泊まりなんて久しぶりであれもこれもと詰め込んだらこんな結果になってしまった。

「1週間ぐらい泊まる気?」と冗談で言う美保は以前となにも変わらず私達のわだかまりも消えていた。


「……お邪魔します」

美保の家は閑静な住宅街にあってうちよりも少し大きめの一軒家。玄関には海外の置物が並んであったから普段でも両親は旅行好きらしい。

「ここが私の部屋。いま飲み物とってくるから座ってて」

美保の部屋は香水なのかとてもいい匂いがして、
アクセサリーや小物も綺麗なガラスのボックスに収納してある。

沙織には無理して流行りを覚えてるとかオシャレに気遣うの疲れたとか言ってたけどあれは嘘だ。

だって本棚には毎月買ってるファッション雑誌が並べられているしファッションの切り抜きもフォトコラージュしてるし、私達の為についた嘘だって分かる。

「あかりピーチティー飲めるよね?」

可愛いポットとティーカップを持って美保が戻ってきた。

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