オタクの俺が超絶ズレてる子に恋をした。

「おい金子……お前は学校に何しに来たんだ?昼飯を食いに来たのか!?」


「あーはい、そスねー」


このおっさんは担任の田中大三郎(たなかだいざぶろう)。


いやー、名前渋いねー。


いつもいつでもうるさい大ちゃんなんだけど、時には優しい。


ちゃんと俺とアニメの話してくれるんだぜ。


あー、そうなんだー。とか。


棒読みだけど。


その子可愛いよねー俺も分かるよー。とか。


棒読みだけど!



そして大ちゃんのお説教はとてつもなく長く続いた。


やっと終わると、楽しい昼飯。


うちの学校は学食なんだけど、とにかくラーメンがうまい。


「おい陵介、今日もラーメンかよ」


「うるせぇよ」


こいつは小学校からの幼馴染みの入間圭(いりまけい)。


俺の数少ない友達。


「俺はラーメンとナツメたんがいてくれれば生きていけるんだよ」


「キモイ」


「ナツメたん可愛」


「キモイ」


「」ガーン




…とまぁ毒舌なところもあるけど、俺の大切な親友だ。


圭は水をぐい、と飲んだ。



「それよりさぁ、お前、松田とかに興味ねーの?」


「松田?誰だよそれ」


「なっ…!興味ないにもほどがあるだろ!お前と同じ班の、超美女だよ!あいつ!」


圭は顔を赤くしながらも…


食堂で一番端の席を指差した。



「…よく見えない。ちょっと行ってくる」


好奇心で、彼女に近付こうとした。


「ちょ、おま!やめたほうがいいって!」


圭は何やら焦っていたが、俺はそれを無視して彼女のところへ向かう。


「お前、松田?フルネーム教えて。」


遠くで見ていた圭があちゃ~、と言わんばかりに額に手を当てた。


松田というらしい女子生徒は、きょとん、といった顔でこちらを向いた。


「松田ちなみ。君は…?」


相手も俺のこと知らないみたいだった。


俺と同類じゃねーか(笑)



「俺は金子陵介。同じ班らしいぞ」


名前を言うと、松田は驚いた表情を見せ…

にっこりと笑った。



「あっ、君が金子君!?あのキモオタだよね?」


いやー、他人にこう言われると傷付きますね。

なにこの子直球すぎる(泣)


「きっ…キモオタはやめてくれね?傷付くからさ…」


「えぇ?キモオタって誉め言葉じゃ…」


どこがやねん。


「肝のあるオタクって意味だよね?」


「え」


ちょちょ、ちょっと待って。


肝のあるオタクってなに?


真心のあるオタク?

内臓があるオタクってのは違うよな…


色々とずれてるなー、この子……



でも、かなり美人。



……オッパィデk((殴








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