ばくだん凛ちゃん
「もう少し大きくなったらいつでも泊まりにおいでね〜」

それも兄さんと同じ台詞だ。

「凛は皆にそう言われて幸せだね」

僕がそう言うと

「こんな可愛い子、周りが放っていないわよ」

真由ちゃんは凛と頬を擦り合わせている。

「わざわざお休みの日にここへ来るなんて何かあったんじゃない?」

真由ちゃんの鋭い突っ込みに僕は苦笑いをした。
本当によく気がつくね。

「…多分、ハルは近々入院すると思う」

先日、妊婦検診で頚菅が短くなってきていると指摘があり、更にハルの担当医である江坂先生がわざわざ僕に電話を下さった。

『奥様、凛ちゃんの時も切迫早産気味だったので今回は早めに入院された方が良いと思います』

まあ軽く仕事もしているから余計だろうけれど。
ハルの仕事はそれほど難しくないので僕が自分の時間を上手く使えばカバー出来るけれど、凛のお世話は…僕が全部出来ない。

「凛ちゃん、どうするの?」

「週3は一時保育で凌げるけど、あと3日がね…。
水曜は午前診しかないから他の人に任せて僕は休むとしてもあと2日。
僕の親に頼もうとは思うけど…」

でも母さんは色々とお誘いも多くて週2でも無理っぽい。

「…もしお母さんも駄目でこちらのレースが絡まなければここで預かろうか?」

僕は思わず顔を上げた。

「いや…それはさすがに」

いくらなんでも悪い。

「朝、透君が病院に行く前に家に預けに来てくれたら良いし、帰る時なら大抵、そちらの診察時間が終わった後になるから病院に届けるし」

真由ちゃんはニコニコして続ける。

「どうしても忙しい時は家で預かっているから迎えに来てもらえれば。
…ファミリーサポートも相性があって中々難しいと聞くし、何より、凛ちゃん私の事、気に入ったみたい」

凛は容赦なく真由ちゃんの髪の毛を引っ張って嬉しそうに笑っている。

「…ではその時はよろしくお願い致します」

僕は深々と頭を下げると真由ちゃんは

「了解しました!」

と敬礼した。
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