ばくだん凛ちゃん
まだ出生届も出していない。
昨日、退院してきたばかりで何も出来ていないので市役所の時間外受付で出すことにした。

体も重い。
でも、動かないといけない。

こういうのって私だけじゃないしね。
仕方がない。

とはいえ。
旦那様が色々と手伝ってくれる家庭が羨ましいと思う。

そんな事言ったら、必死に働いている透に物凄く申し訳ないので絶対に言えないけれど。
私の代わりに妹のナツに仕送りをしてくれているし。
金銭面では何一つ不自由な事を感じない。
私が一人で暮らしていた時よりはずっといい。

でも。
ほんの一瞬でいいから頼りたい時もある。

一人で歩いていると前からベビーカーを押した夫婦が歩いてくる。
楽しそうに会話をしながら。
旦那様の手には買い物袋。

いいなあ。
私、そういう時、来るのかなあ。

…いやいや、私が弱気になってどうする。
透が必死になって病気の子供たちと向き合っているのに。
私は凛と向き合って家庭を守らないといけないのよ。
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