ばくだん凛ちゃん
…大人しくなった。

お義母さんの腕の中ですやすやと眠り始めた凛。

どうしてー!!!!!

「本当にすみません」

お義母さんの前にあるテーブルにお茶を置く。

勿論、凛には掛からないように配慮はしている。

「最初は仕方ないわよ。
ハルさん、まだママ6日目でしょ。
私なんてお母さんになってもう…何年だろ。
至の年齢分、お母さんしているから」

ええ、もう立派な大人ですものね、お兄さん。

「透の小さい頃にそっくりよ、凛ちゃん」

…顔?性格?

「性格そっくりよ。
きっと頑固者になるわよ」

えー…。
嫌かもー。

「まあ、小さい時に手が掛かっていたら大きくなったときには楽だと思うわよ。
透がそうでしょ?」

確かに。
私は頷いた。

「もし何なら、今のうちの用事済ませちゃえば?
買い物に行きたいなら行ってきて良いし。
あ、そうそう。
夜は下で一緒にご飯食べない?
透、今日は当直でしょ?」

ええ、そうなんです。
当直なんです。
初めてのお正月を迎えるのに。
仕方がないとはいえ。
残念。

「いいんですか?」

もう、甘え倒してやるっ!!

「勿論!お父さんも喜ぶわ!!
ご飯食べてる間、ずっとお父さんに凛ちゃんを抱いて貰っていたらいいのよ。
それくらいはさせましょう」

させるのですか。

「自分の子供の時なんて全然しなかったんですから。
もう引退間近なんだから孫の面倒くらいは見て貰わないと」

お義父さんは至お兄さんと同じく、3月末で退職する。
もう引退するんだと言ってるけど、孫の面倒を見たいらしい。

…体力的に大丈夫なのかな。
確か来年は…74歳。

いくら医者をしていたからといっても。
透みたいに小児科医じゃないし。
専門外、と思うんですけどね。

「じゃあ、お義母さん、少し出かけてきます」

「いってらっしゃい」

「あ、ミルクとか何か必要なら使ってくださいね」

「はいはい、適当にさせて貰います。
後で文句、言わないでね」

言いません!
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