ばくだん凛ちゃん
食事を終えると凛はまたウトウトし始めたので二人で食器洗いを済ませると、

「ハル、今日から凛をお風呂に入れてみる?」

僕は提案してみた。
ほとんど家にいない僕よりハルが入れる事になるだろうから。

「じゃあ、そうしようかな」

うんうん、そうしよう。

「今日は3人で入ってみようよ」

そう言った瞬間、ハルの目が疑い深くなる。

「…あのねえ、さすがに凛がいるのにお風呂で何もしないよ」

「凛がいなければ何かするのね?」

僕は黙って凛を抱っこする。

「お母さんがお父さんをイジメるんです、凛ちゃん」

と呟いたらますますハルの冷ややかな視線が僕に注がれる。

「お風呂の準備、しようね〜」

ハルと目を合わせないように凛と目を合わせて僕は移動する。

「…透、よくもそんな事を言えるわね!」

ハルは僕を追い掛けてきた。
走って逃げる訳にいかないので開き直ってその場に立ち止まる。

「ハルさん、冗談ですよ」

頬を膨らませるハル。
本当に…可愛らしい表情をするから僕もついついイタズラしたくなるんだ。

「これで許して」

ハルの唇にキスをした。

「アウアウ」

抱っこしている凛も目を開けてジッと僕達を見ている。

「両手に花、だな」

凛の頭にも軽くキスをした。
< 39 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop