ばくだん凛ちゃん
その日は歩くと軽く汗ばむ初夏の陽気。
凛を抱っこ紐で抱いて歩いて近くの赤ちゃん広場へ行った。
隣は保育園。
子供たちの元気な声が響いている。

「こんにちは、初めて来ました」

インターフォン越しにそういうとオートロックの施錠が開いた。
建物の中に入り、階段を上がるとそこには一室だけ設けられている。

何となく緊張する。
何もかもが初めての経験だし。

中に入ると数組の親子がいた。

「どうぞ、こちらへ」

スタッフの方に申込用紙を渡された。

4月〜翌年3月まで年間500円でここで遊んだり情報交換が出来るらしい。

凛を抱っこ紐から下ろし、カーペットの上に寝かせた。
凛は目だけを動かしてキョロキョロしている。

「抱っこして良いですか?」

別のスタッフの方が声を掛けてくれたので私は是非!と頷いた。

凛は素直に抱っこされている。

「子供との距離に疲れたら、いつでも来てくださいね。
抱っこしますよ!」

「ありがとうございます」

そんな風に言って貰えるだけで肩の荷が降りる。



「今、何ヵ月ですか?」

先に来ていた1歳過ぎの男の子のお母さんから話し掛けられた。

「もうすぐ5ヶ月です」

「着ている服、可愛いですね!」

別の若いお母さんからも声を掛けられた。

「頂き物でよくわからなくて…」

桃ちゃんがくれた服。
どこのブランドとか見ていないし。
肌着も何もかも、桃ちゃんからの頂き物で済んでいる。

「こんなに高い服を貰えるなんて羨ましいな〜!」

「…そんなに高いんですか?」

思わず聞き返す。

「そのカバーオールなら1万は軽く越えますよ」

…たかが数ヵ月しか着られない服に1万オーバー。

「…その方に再度お礼を言っておきます」

えー!
透も何も言わなかったから普通に貰っちゃってるし!

桃ちゃんが絶対にお礼とかいらない、したら絶交するとか言われたから何もしてないよ…。

まさかの事実がこんな所でわかるなんて…。



後で連絡入れておこう。
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