結婚ラプソディ
「透、私を選んでくれてありがとう」

…何言ってるの。
僕の方こそありがとう、だよ。

チラッと隣を見るとハルと目が合った。

ハルが微笑む。
僕はハルの手を握りしめた。

「再会した時、私の意識は熱でボンヤリしていました。
今でも思い出そうとしてもよくわかりません。
ただ…」

ハルは一呼吸置く。

「目を少し開けると白衣を着た透がいて、その時にやっぱりお医者様になったんだと思いました。
…ただ、小児科医は意外でした。
外科や循環器科のイメージがあったので」

会場内から少し笑いが漏れる。
僕のイメージはそうなのか。

「透と出会ってから、想像出来ないスピードで生活が変わっていきました。
今でもそうです。
戸惑う事も沢山あります」

…ごめん、ハル。
それは謝るよ。

「…お腹にも赤ちゃんがいるし。
今、私に起こっている事は今まで経験のない事ばかりで不安がいっぱいです」

本当にごめん。

「でも透となら、未経験の事でも乗り越えていけそうな気がします。
透は仕事上、本当にプライベートもないし、大変だけど家では出来るだけ休んで貰えるような家庭を作りたいです。
至らない点は多々あると思いますがよろしくお願いいたします」

画面の中のハルが頭を下げた。



ようやく終わりのようだ。



「一応、これで映像は終わりですが、まだ完結ではありません」

場内が明るくなり河内さんが言う。

「最後に透先生。
ご挨拶頂けたらと思います。
今から透先生を撮って、また後日、今のムービーと編集してお渡し致します」



手の込んだ映像なんだな。

僕は立ち上がった。
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