結婚ラプソディ
「大丈夫、俺でも結婚出来たからきっと神宮寺さんでも出来る」

祥太郎君の慰めに速人は目を輝かせて

「ありがとうー!
是非とも紹介して!」

「キャンギャルなら」

「是非是非!」



…何だろう、この二人。
全く違和感がない。



「さて、速人」

僕は速人の前にグラスを置いた。

「さっきはどうもありがとう」

本当にね、僕の事をあんな風に弄るなんて酷いよね。

「さあ、飲め」

ここはビールよりもワインだ。

「で、お前が聞きたかった本当の事をここで教えてやるから、言え」

「透先輩ー」

情けを乞うても許さないよ、速人。

哲人は腹を抱えて笑っている。

「速人、お前の負けだよ。
今日は透のご機嫌取りに徹するべきだよ」

「…お前たち3人の関係、なんだか怖いね」

兄さんは呆れ顔だ。

「一番上に透、その次が俺、その次が速人です」

上下関係を哲人が兄さんに説明すると

「なぜ一番上に透が?」

「単純に大学卒業時の成績順です」

くだらない順番だと思うけどね。

「あと、酒の強い順」

速人が付け加えた。

「話を逸らすな」

今日こそは!!
速人を懲らしめてやる。

「至先生、助けてください」

「嫌です、神宮寺先生」

兄さんはにこやかに断る。

「僕とハルの、何を聞きたいんだ?
再会して、また退院してすぐにセックスした事か?
それの何が悪い?」

「…じゃあ真剣に聞きます」

速人の目の色が変わった。

…面白い。

その質問、受けよう。
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