異世界の英雄伝説

クレアに言われて現れたのは水色の髪をした女の子であった。クレア程では無いが可愛い・・・と思う。ハッキリと可愛いと言えないのはクレアと比べてしまうからだろう。

水色の髪をした少女は俺の顔を見るなり不満そうな顔をする。

｢ねえクレア、私こんなのと旅しなきゃならないの？｣

｢ええ、同い年なので会話も弾むと思いますよ｣

｢そんなのどうでも良いのッ！あの金髪で汗臭そうなチンピラと旅なんて絶対に嫌よッ！てか、あの汚い作業服は何ッ！？｣

酷い言いようである。あんまりにも酷い・・・！俺を全否定している発言・・・ひど過ぎるっ！・・・が分からない事もねぇ・・・！今の俺の格好は明らかに汚らしい汗臭い作業服を着たチンピラである。

｢おい、そこの水色の髪のお前言い過ぎだろ！俺の心が傷付くだろーが！お前何者だよ！｣

俺は余りにも酷いいわれようだったので頭にきた為、その場の勢いで文句を言ってしまった。

｢私は海里よ！伊藤海里！大企業『帝悪』の跡取り娘でスーパーエリートよっ！その私がアンタみたいな貧乏そうなチンピラと旅なんて一緒にするわけないじゃない！｣

｢いや、お前死んでるから『帝悪』の跡取りでもなんでもねーけど？てか、俺もお前も死んでんだからチンピラもエリートも無く平等だろうがっ！｣

水色の髪の女『伊藤海里』は俺の言ったことに少し納得したのか何も言い返す事が出来ない。

｢確かにお互い死んでいるからエリートとかもう関係無いわね。でもアンタ見たいなチンピラと旅するなんて絶対嫌よッ！だいたい初対面で馴れ馴れしく話しかけ過ぎよッ！｣

｢お前が一番馴れ馴れしいわ・・・馬鹿じゃねぇの・・・？｣

この娘・・・スゲーめんどくさい。こんなタイプの女初めて見たぞ・・・！

俺はとにかく呆れた顔で海里を見ていたと思う。

しかし、海里は再び怒る。

｢チンピラが私に対して馬鹿って・・・！ムキー！｣

その｢ムキー！｣って怒り方初めて見た・・・