異世界の英雄伝説
いがみ合っている俺と海里であったがそこへクレアが言う。

「二人とも喧嘩しないで下さい。現世から異世界に行くたった二人なんですから仲良く協力しなきゃいけません。」

「でもコイツの服汗臭いんだもの!一緒にいたら鼻がおかしくなっちゃうじゃない!汚物は消毒よ!」

海里の言葉に俺は苛立ちが収まらない。人をまるで汚物扱いしている物言いはなんとかならないかね?

「海里さん、確かに貴方の言う通り洸さんと一緒に旅をすると鼻がおかしくなるでしょう。でも安心してください。この世界の世界感に合った服装に私が魔法で着せてあげます。」

「ちょっと待った!俺はコイツにボロクソに罵られたんだぞ!俺もコイツとは一緒に旅したくねぇな」

当然の感情である。俺の悪口を言った奴と一緒に旅出来るわけがない。

しかし、俺達が文句ばかり言っているのでクレアは少し切れ気味に言う。

「じゃあ貴方達は見知らぬ土地で一人で旅できますか?現世の常識が一切通用しない異世界でただ一人旅をしてハーデスを倒せますか?」

「「うぬぬ・・・」」

俺と海里は何も言えなかった。現世の常識が通用しない世界での一人旅は確かに辛い・・・しかも孤独な一人旅となると精神的に病むかも知れない。

「すんません、クレアさん。確かにクレアさんの言う通りだ。異世界ではどんな奴でも隣に居てくれたら精神的に楽かもしれない。」

「クレア、私も謝るわ。一人じゃ出来ない事もあるし、何より現世の事を話せる仲間が居ないのはかなり辛いと思うわ」

二人はクレアに謝り、これで二人は一緒に旅をすることが決まった。





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