南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
───────グイッ
「わっ、」
「…じゃあ…遠慮なく。」
「〜〜っ/////」
手を引かれて、一瞬で淳太の腕の中。
自分から抱きしめて欲しいって言ったくせに、あまりの近さに顔から火が出そう。
「……乙葉、」
「は、はい…」
耳元で囁かないでほしい。
胸が苦しくなって、息ができないよ。
「俺と付き合って下さい。絶対…大事にします。」
「っ!!」
夢?!これ、夢?!
「……へ、返事は?」
「わ、私でいいの?雪ちゃんじゃなくていいの?」
「いや、だから…雪、男だって。」
「……っ、夢じゃない?!本当に?!」
「ね、早く返事ちょうだい。俺、ドキドキして死にそう…。」
もう返事なんて分かってるくせに、何をドキドキする必要があるんだ。
あ、淳太はばかだから、
言葉にしないと分からないもんね。
でも待って!私も初めてだから…こういう時、なんて返事をしたら良いのか分からない。
「……えっと、」
「彼女に、なってくれんの?」
「……うん、特別だよ。」
恥ずかしくって、照れ隠し。
本当は、私の方が数100倍嬉しいくせに。
「フッ…ありがとう。乙葉って、意外に天邪鬼だな。」
そんな私を見て淳太が笑う。