南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「はい、毎度!」
「ありがとうごさいます。」
あれから瀬那と2人とにかくいちごを食べまくりあっという間に1時間が経過してしまった。
お土産にいちごを買ってルンルンな私の隣で、"もう当分いちごはいらない"なんて言っている瀬那。
「でも、驚いたなぁ〜。瀬那がいちご好きだったなんて。」
甘いものが苦手なくせに、いちごが好きなんて可愛い。甘酸っぱいものは好き…とか?
「は?別にいちごなんか好きじゃない。」
「え!?だって、いちご狩り…」
「だから、お前がいちご好きだから来たんだろ。」
……えー!
何、結局 瀬那の行きたい場所…とか見たいものとか私とやりたいこと…ってわけじゃなくて
私が好きなもの…を優先してくれたの?
どこまで優しいの。
「で、でも!今回のデートは瀬那が楽しめる場所に…って!」
「うん。」
「うん、じゃなくて…」
「はぁ……分かれよ。」
「わ、分かれよって……ん?別れよ…?え?!嘘やだやだや「うっさい。」
「だから、俺の楽しめる場所って…結局は佑麻なんだよ。」
ドクンッ
ふっと柔らかく笑う瀬那に、背筋がピーンと伸びてしまう私。