南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「…っ、」
「あ、今ちょっと揺れたでしょ。」
「ち、ちが!!」
あまりにも、真っ直ぐ過ぎる嶋中くんの想いに、少しだけ…ほんの少しだけときめいてしまった自分に喝!
「なーんだ、俺まだ見込みありそうじゃん。」
クスクス私をからかう様に笑う嶋中くんに、顔が熱を持っていく。
「もう、からかわないでよ…。」
そんな優しい顔で笑うのは、反則だと思うんだけど。…あ、もちろん…瀬那の笑顔には敵わないけどね!!
「……あ、来た。あれが例の中学生?」
「へ!ど、どこ!?…っあ、」
すっかり自分が何の為にここに居るのか見失いかけていたとき、推定待ち合わせ時間11時を大幅にオーバーして紗菜ちゃんがやって来た。
嶋中くんに静かに頷いてから、再び2人の様子を伺うけれど、距離的に2人の会話は聞こえてこない。
ピンクの膝上丈ワンピースに、白のショルダーバッグを肩からかけて、10cmはありそうなヒールを履きこなした紗菜ちゃんはやっぱり、大人っぽくて…
私なんかと並んだら、月とスッポンかも。
中学生とは、到底思えないんですけど。