食わずぎらいがなおったら。

同期会の帰り道

武田の声掛けで、かなり久しぶりの同期会があった。

もう辞めちゃったメンバーもかなり来て、遅くまで盛り上がる。他社の話も聞けて、色々面白い。イキイキしてるな、みんな。

30才目前。20代のうちにやっておきたいことある?なんて話になって。

香は転職とか考えないの?って聞かれたけど、私は売りになるスキルとか別にないからね。

とにかくここで頑張らないと。



二次会が終わって、駅まで一緒に歩いてた子が飲みすぎたのか歩けなくなって。タクシーに乗せるの乗せないのってロータリーでバタバタしてからみんなと別れた。

終電も近いし急ごうと、横断歩道を渡りきって駅に入る目前で、見覚えのある姿が目に飛び込んでくる。

平内。

酔ってるらしい女の子を支えてる。



あ、これは見ちゃいけないやつ、と瞬時に判断して目を逸らしたのに、香さん、となぜか声をかけられた。



ぱっと女の子も顔をあげてこっちを見る。

あ、これはいわゆる酔ったふり?

うわ、この子総務の子?



なんか色々と間が悪すぎる。





「香さんも今帰りですか?」

平内がやけに明るく聞いてくる。

「うん。まだ電車ありそうだから」

と駅を指して行き急ごうとすると、

「タクシー、一緒に乗ってけば?方向同じだし」

と、とんでもないことを言われた。



どう見ても邪魔でしょ、ありえないでしょ、それ。




「え、でも」

「えー、米沢さんに悪いよそんなの、時間かかっちゃうし」

言いよどんだ私の声にかぶせて、総務の子が甘えた声で言う。

あれ、さっきより元気そうじゃん、乗せてやるから1人で帰れる? と平内が機嫌よく話しかけると、あ、そうかも私も電車で帰れるかな、と彼女も急にしっかりした。



何これ、私は今どうすればいいの。
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