せめて、もう一度だけ
朝、休憩室にお弁当をふたつ置きに行った。


遼くんは出社しているはずだったけど、みかけなかった。


迷ったけど、お弁当に手紙をしのばせておいた。


『遼くん、悲しい想いをさせてごめんね。


もう一度、会ってちゃんと話したい。


連絡待ってるね』



ずっと、そわそわしながらお昼休みを待った。


今日は遅番だったから、休憩室には誰もいなかった。


遼くんに作ったお弁当箱は、手つかずで残っていた。


まだ休憩に入れないのかな。


それとも、食べなかったのかな。


連絡もなくて、不安な気持ちでいっぱいになった。


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