ビター・アンド・スイート
パエリアはシロタさんがが言う通り美味しかった。
私は満足してため息を吐く。
「美味しかった。」と言うと、シロタさんは
「だろ。」とにっこりした。
「今日、三吉屋に行ったら、ヤヨイちゃんに
ハヅキが俺といちゃいちゃしてて、『ハーモニー』食べ損ねて、
機嫌が悪いって、言われちゃってさ。」とクスクス笑う。
アイツ、何を言いつけているんだ?
「『ハーモニー』を持って来たから、ハヅキの家で食べちゃうダメかな?」と私の顔を覗く。
まあ、まだ、21時を過ぎたところだ。
遅すぎる訪問ってわけじゃないかな。
「俺ん家でも、いいんだけどさ。
江ノ島のそばで、ちょっと遠いし、帰したくなくなるって思うし。」と笑うので、
「うちが良いです。」と慌てて言うと、
「…即答するのはよせよ。」とシロタさんは機嫌の悪い声で睨む。
だってさ、
心に準備ってモノがあるじゃん。
とちょっとシロタさんの顔を見て、自分の顔が赤くなっていくのがわかる。
シロタさんは笑って、
「その顔が見れただけ、前進したかな。」と私の手を掴んで、席を立った。

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