ビター・アンド・スイート
家に電話をしてから、三吉屋に戻る。
「本日2回目の訪問。
俺さあ、ここに住んじゃおっかな。」とクスクス笑うので、
「ダメです。」と言うと、
「箱入り娘は箱から出れる?」と聞くので、
「以前は出てました。」と機嫌の悪い顔見せると、
「俺、忙しいから、早く一緒に暮らしたいなあ。
すれ違ってばっかりだと、よくないでしょ。」と私の顔を見る。

私は口をぽかんと開ける。
「ハヅキ、俺が普通の恋人になるのに、あいさつしたと思う?
結婚前提のお付き合いをしたいってことでしょ。
俺だって、そう若くないし、結婚したいって、
好きな人と毎日一緒にいたいって思うだろ。」と私の顔を見る。
「…私と結婚したいの?」と思わず聞く。
「そういう事。」と笑って、店の前に車を停め、
後部座席のクーラーバッグからケーキの箱を取り出す。
「ハヅキ。行くよ。」と助手席のドアを開けて、驚いて動けない私の手を引いた。
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