ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
うまく言葉にできそうになかったので、私はタイムカプセルの中から私に宛てたハルからの手紙を出してお姉さんの手元へと差し出しす。

「これを、読んで頂ければ……」

「うた、さん?夢野、ハル?」

「はい」

手紙の宛名を見たお姉さんはますます不思議そうな顔だったが、私が冷やかしに来たのではないことくらいは理解してくれているようで。

疑問に思いながらも手に取り読みはじめてくれた。

ゆっくりと。時々紅茶のカップに口をつけたり、鼻をすすったりしながら。

そんな丁寧な仕草、ハルに似ている。

ハルは10年前のあの時、私以外にも会いたいと思っていた人がいたはずだ。

お姉さんもきっとその中の1人。

自慢げにお姉さんのことを話すハルを思い出す。

あの頃真っ白だった封筒も、今では少し色あせてしまっている。そこに長い年月を感じるが、ハルの笑顔は昨日のことのように思い出される。

そう。

ハルはずっと。

私の隣で笑っていた。
< 200 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop