空の下で
ふと目が覚めると、まだ点滴の液が残ってた。


まだ一時間も経ってないのか…


柚姫が気になって、点滴を抜いて、白衣を羽織って集中治療室に入った。


柚姫のそばに、河野がいた。


「あ、翔、大丈夫か?」


「おかげさまで」


「一時間経ってないけど?」


「えへ」


「えへじゃねーよ、体調は?」


「普通かな」


「手出して?」


「俺も自分のことぐらいわかるからさ~」


「まだ脈ちょっと乱れてるから、騒いだり無理するなよ?」


「わかってる」


「何かあったら電話して来い?柚姫でも、翔でも」


「ありがと」


また、柚姫の横に座る。


いつ見ても顔がきれい…


鼻が高くて、色白、柚姫はヨーロッパの血が混ざってるらしい。


こげ茶色のまっすぐできれいに切りそろえられた髪。


柚姫、目を覚ましてくれよ…


柚姫……


早くにっこり笑ってくれよ…
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