空の下で
「もしもし」


「もしもしじゃねぇよ柚姫!正気か?」


しまった……お兄ちゃん………


「すみません……ケホッ」


「それより大丈夫なのかお前今どこにいるんだ?」


「大丈夫……だよ、今ね……病院にいるのッケホッケホッ」


「すぐ戻ってこい。お前の体が持たないぞ。そこで倒れてバレるよりましだろ!」


「うんッケホッケホッ……」


「咳か?」


「なんか……喉の奥に詰まってる…の」


洗面台に向かって強めに咳き込んだ。


口の中をドロっとした液体が通った……


目の前には……赤い液体が……


「お兄……ちゃ……」


「ど、どうした?」


「血……私……血吐い…た」


「血吐いたのか!?」


「うんっハァッ……ハァッ……お兄…ちゃ……息……」
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