空の下で
結局気持ち悪いまま少し起きていた。


30分経って、だんだん落ち着き、そのまままた眠ってしまった。


次にふと目が覚めた時は隣に翔はいなかった。


ふと時間を見ようと思うと、『起きたら電話して』と書かれていた。


時計の長針は10をちょうど指していた。


枕元にあるケータイを手に取って、翔にかける。


「もしもし……」


「あ、柚姫起きた?どう?気分悪くない?」


「うん、スッキリしたよ」


「朝家出る時ちょっと音悪かったから、今日は安静にしててね、早く帰るから」


「うん、ありがとう」


早く帰ってきてくれるなんて!


すごく優しい……


てかまず、この家あんまり知らないや……


そう思って、ベッドから降りて部屋を出た。


とても広かった。


リビングも広いし、キッチンも広い……


ほんとにすごかった。


「ケホッケホッ……」


疲れたのかな……咳が出て息苦しい。


「ケホッケホッ……ハァッ……」


喘息かな……久しぶりに出た……発作……


とりあえず部屋に戻ろう……


「ケホッケホッ……ハァッ…ハァッ……」


息が……苦しい…


酸素が頭に入らなくてぼーっとしてる……


ぼやぼやとしながら、ソファーにとりあえずもたれかかった。


意識が消えそうで……


我慢我慢……


でも体力のない自分には、そんなの耐えられなかった……

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