欲情プール
着実に結果を残して来た俺は、今じゃ専務になっていて…

そんな中、社長である親父が病に倒れた。


なんとか持ち直したものの、一時は危険な状態で…
もう一線に立つのが難しくなった親父から、俺は後を継ぐよう命じられた。


ただうちの会社の場合、社長の選定は株主総会に委ねられる。

俺が専務になれたのは実績だけじゃなく、ワンマン気質な親父の影響力があったからだ。


けど親父が一線を退くとなると、その影響力も衰えて…
親父と一緒に会社を築いてきた常務の方が、俺よりも株主達との付き合いが長いうえに、長年培ってきた人望もあって、社長選定に有利だった。


しかも俺が専務になった事でそこから降格した常務は、その不満から株主達を抱き込んで会社の乗っ取りを企ててるらしい。

それを覆す為にはこれまで以上の実績を残して、さらには強力なバックアップを得る必要があった。


そのために必要なのが、老舗大手である武生興産の娘との結婚で…
それを企てた親父はその気質から、邪魔なものは可能な限り排除しようとするだろう。

逆らえば、華那に圧力がかかるだけだ。
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