欲情プール
なのにその翌日。


「専務、何で教えてくれなかったんですか?
昨日、夫と話したんですよね?」

早速、他言無用が破られる。


どこまで聞いたんだ?

挨拶したと銘打って茉歩の出方を探るも…
どうやら核心には触れてないようで。

恐らく茉歩との関わりを不貞の報復と察して、その関係性を問い詰めずにはいられなかったんだろう。


「昨日は言いたくなかったかな。
自分で挨拶しときながらだけど、けっこうヤキモチ妬いてたから」

質問の答えを策略の言葉で取り繕いながらも…
今思えばその時感じた不快な思いは、紛れもなく嫉妬だった。


「っ、そんな事ばっかり言ってるから、変な誤解を招くんですよ?
夫が不審がってましたけど…
いったいどんな挑発したんですか?」

挑発って…


何を言ったのかと不審がりもせず、そう決めてかかるのは…
ヤキモチ作戦を見抜いてるからで。

俺を信じてくれてるからで…


後ろめたい反面、どうしょうもなく嬉しくなる。
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