欲情プール
それに引き換え、クールな茉歩はちゃんと割り切れてるようで…

それを前提にしたのは自分なのに、不甲斐なくて嫌になる。


とにかく俺は、極力その事を考えないようにして。
不自然にならない程度で、なるべく関わらないようにするしかなかった。

なのにそれが仇となる。


茉歩との接触を避けた無駄な動きで、書類が落ちそうになって…
咄嗟にそれを防いだら、同じくな茉歩と手が触れた。


瞬間、何かが弾けて。
思わずその指を捕まえてしまったけど…

ハッとして、すぐにそれを払ってしまう。


ヤバい、本気で何やってるんだ俺は…
茉歩はどう思っただろうか?

だけど、茉歩もこの手を掴んでくれた気がしたのは…
俺の勘違いだろうか。


しかも触れた事で、茉歩への欲望は一層募って…




そんな、とある終業時。
とうとう抑えてたものが爆発する。


「私っ、もう一度専務と、」

あろうことか、茉歩の方から誘ってきて。


「悪い茉歩」

激しく心を突き動かされた俺は…


「もう、一度じゃ終われない」

言い終えたと同時、その唇を奪ってた。
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