欲情プール
「俺はこの道を、必ず成し遂げなきゃいけないんだ…」

うなされるように。
でもどこか自分に言い聞かせるように、呟く専務。


「…

わかってますよ。
私もそれを全力でサポートします。
なので今は、少し眠って下さい」

優しく促すと。


「なのに、俺は…」

握る手にグッと力がこもって、途切れた言葉。


その先に何を言おうとしてたんだろう…



病院に着く頃には。
どちらからともなく、その指は絡んでて。

私はただ、込み上げてくる愛しさを持て余してた。






だけどその、報いを受ける。



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