欲情プール
なんて…
理性と感情は別物だよね。

せっかく2人で飲んでるのに、自分の気持ちに水を差したくない。



「けど、ほっとけないなんて…
茉歩はほんとに優しいなぁ。

そのうえ美人で仕事も出来て。
こんな最高の部下いないだろっ!」


「どうしたのっ?誉め殺し?
おだてたって、何にも出ないからっ」


「ひどいなぁ!本心なのにっ」


そんな調子で、笑い合う私達。

聡との時間を精いっぱい楽しみたかった。
だってその時間はもう、限られてるから。


だけどもう1つ。

専務に抱いた持て余す感情を、吹き飛ばしたかった。



大丈夫。

それは同情的な、友情的な感情で…
しかも一時的なものに決まってる。






そうして、気持ちをリフレッシュした翌日。

専務を病院まで迎えに行くと…
ナース達に口説かれてる有り様が映り込む。


「お疲れ様です」と声を掛けると、彼女達は勤務に戻って行ったけど。


「どこでもモテますね。
ちゃんと身体は休めましたか?」

休養に集中出来たのか、純粋に心配したのに。


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