蒼の王様、紅の盗賊
 




 
 
 
 
「.......悪はこの国に、この世界に在ってはいけない穢れだ。
俺が、俺がその穢れを滅しなければ」




三年前のあの日、少年は誓った。

父を殺した....自分や罪のない人々から幸せを奪った悪という存在をこの手で滅してやろうと。
例えどんな小さな悪であろうとも。



そう心に強く誓ったのだ。
そしてその想いは、今も此処にシュリの心と共にあった。












「父上。俺は絶対成し遂げます。
父上の仇を。そしてこの国の平和を───この手で。

そのために....俺は、王として此処に居るんだ」





彼は、誰よりもこの国を愛していた。

だからこそ、この国を汚すものは何であろうと許さない。
たとえ冷酷な『蒼の王様』だなんて言われようが構わない。




この国から、そして世界から悪が消えること。

それがシュリの唯一の望みだった。
それ以上も以下も望みはしない。










「俺がいつかこの国を平和に。
皆が笑い合える国に」



ユラリ、月が揺れる。
強い想いが月光に反射して、美しく煌めく。 

月夜に改めて誓う決意に重くなった瞼かのしかかり、シュリは強き想いと共に夢の中へと静かに堕ちていったのだった。





 


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