古い校舎が見える桜の木の下で
7.未来のために~side Ayumu
朝、起きると服を着たままベッドにいた。
あれっ、どうしたんだっけ。

昨日は浩太とご飯を食べて…。あっ、きっとそのまま寝たんだ。
浩太がベッドに運んでくれたんだと思う。

ここのところ、年末で仕事が忙しく、
また、浩太とのことで精神的にも疲れていた。
急いで着替えて、

「ごめん、浩太」

と叫びながら、リビングに向かった。

リビングに行くと浩太の姿はなく、テーブルの上に置手紙があった。

【歩へ
おはよう。気持ちよさそうに寝ていたので、起こさず出ていきます。
昨日は話ができてよかった。
俺は、1月いっぱいスキー場のアルバイトが入っていて、
その後は新生活への準備です。だから、2月になれば時間が取れると思う。
うまく、言えないけど俺にとって歩は大切な存在だから、
お互い悩んだら、一緒に考えて前に進みたい。
正月、長野に帰ってくるんだろう?
バイトがあるから十分な時間は取れないと思うけど、
そのときにでも会おう。
LINEの件、ごめんな。もう、つながるから。
じゃあ。】

昨日も話をしていて思ったが、浩太はとても優しい。
彼の気遣いに改めて、一緒にいたいと感じた。
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